自分を認めてあげる
ピアノでもなんでも、何かに一生懸命取り組んでいると
どんどん変化していく時期と行き詰まりを感じる時期と
どちらも経験することになると思います。
そのどちらの経験を何度も繰り返していくのが成長に
つながっていくのだと思いますが、
行き詰まりを感じた時、どのようにそれと向き合うかって
けっこう大事だと思うのです。
こうしたらいいよ!っていう画期的な方法みたいなものは
なくて、その人のその時に合うやり方はそれぞれかもしれません。
それが見つけられたときは、「やったー!」ですね。
その時こそが、その人の成長する瞬間なのだと思います。
先日のレッスンでのことなのですが、
もしかしたら行き詰ったときに誰かにとってのヒントに
なるかもしれないなあという出来事がありました。
わたしも感銘を受けたのでその時のお話をシェアさせてもらいます。
その方は大人になってから新たにピアノを始められた方で
約1年程ここの教室に通ってくださっています。
いつもとても熱心に練習してきてくださる方で、
毎回のようにどんどんレベルアップしていっています。
その生徒さんが、半年前くらいに「この曲が弾きたいんです」
といって持ってきた曲がありました。
ピアノを習い始めて半年で挑戦するには、少しハードルの高い曲でした。
でもご本人がやりたいと言って持ってきてくれた曲。
一緒に頑張ってやってみましょう、ということになりました。
リズムも運指も難しい曲で、指使いも試行錯誤しながら
コツコツと頑張っていました。あともう一歩なんだけどな…という
レッスンが続いていたところ、先週のレッスンで演奏が激変していました!
いったい何があったの??と聞くと…
「練習し始めてから数か月経ってもなかなか進歩しないな…
と感じていたんですが、ある時、『この曲を半年で挑戦してるなんて
自分はすごいじゃないか!』って気づいたんです。そういう風に自分を
認めてあげたら、そこから急に弾けるようになりました。
最近は練習の時には弾いている自分の姿がうつるように鏡を置いて、
『ああ、肩に力が入ってるなあ』とか観察しながら練習しています。」
とのこと。
自分のことを認めてあげるって、実はなかなか難しいことかもしれません。
ポジティブシンキングという言葉もよく聞きますが、
ただ無理やりポジティブに考えるのではなくて、そう思えるように
環境や自分の状態を整えていくと、そういう思考になっていく。
きっと、この生徒さんはそれまでの少し苦しい時期を経験したからこそ
機が熟してそのように自分を認めてあげることができたのかもしれません。
いつもレッスンでこんな素敵な瞬間を生徒さんたちと共有できることが
できて本当にうれしいし幸せです!
生徒さんたちに負けないよう、わたしもさらに頑張ります!