2024-02-16

アレクサンダーテクニークとピアノ

少し間が空いてしまいましたが、今日は少しアレクサンダーテクニークのお話を。

ピアノに限らず、楽器を演奏することって、とても面白くて楽しいことですよね。
でも、楽しいだけじゃない時もやっぱりあると思います。

思うように指が動かない、何度も同じところで間違える、和音がつかめない、
フレーズ感やつかめない、流れがスムーズにいかない etc…

課題はそれぞれたくさんあると思います。わたしも日々研究中です。

それでその課題にどう取り組んでいくか、というのをレッスンで
紐解いていくわけですが、みなさんおっしゃるのが、「課題はわかって
いるけど、どうすればいいかわからない」ということ。
その、「どう」というところに、アレクサンダーテクニークは
とても役立ってくれます。

ピアノだとやはり指や手、腕に意識が向きがちですが、大事なのは
からだの幹となる頭-首-背中のつながりです。
そして、不必要なことをやめること(inhibition 抑制)
細部ではなく、自分の中心からバランスの取れた状態を知り、学ぶことが
大切だと思います。

もちろん出た音を聴いて、それを指標にもっとこうしようというアイディアや
指導の仕方もあるし、わたしもレッスンの中でそう伝えることもありますが、
それは本当に自分のからだを通った、血の通った音なのか?というと、
ちょっと疑問が残ります。
音をどうにかしようとするほど、音楽と自分が離れていく、ということが起こりやすい。

つまり、出た音はからだの中(頭の中も、肉体的にも)で起きていたことの
一番最後の結果であって、そこから変えようとするのは、かえって遠回りなのでは
ないか?ということです。

そして、演奏中に起きているそれぞれの課題は、実は少なからず普段の生活の中でも
起きています。普段の癖や使い方をかえりみないまま演奏中だけいつもと違うことを
するってとても難しい…

だから、アレクサンダーテクニークのレッスンを希望している生徒さんには、
チェアワークやライダウンワークを通して、音を生み出す前の状態から整えて
ピアノのレッスンに入る、という流れをとっています。

そうすると、演奏していたときには気が付かなかった微細な、
でも重要な使い方の癖に気が付くでしょう。

その小さな発見がいつか大きな変化につながっていくと思います。

まだまだ奥は深い、、

今日の一曲

春一番が発表されましたね。ここ数日とても風が強かった!
わたしは激しい風の唸り声で夜中に目が覚めてしまいました。

ということで、今日はC.ドビュッシーの「西風が見たもの(YouTubeリンク)」です。
ドビュッシー作品の中ではかなり荒々しく力強い作品で、ヨーロッパの偏西風によって
荒波を立てる海や激しい風声をイメージさせます。

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