2024-04-11

ピアノで「歌う」ってどういうこと?③

前回までの
ピアノで「歌う」ってどういうこと?①
ピアノで「歌う」ってどういうこと?➁
に続いて、今回が最後のまとめになります。

わたしの手書きの楽譜で恐縮ですが「ちょうちょう」の
楽譜を使いながら最初の1フレーズを解説していきます!

ポイントは、前回の記事の
Ⅰ.音の高低
Ⅱ.音のかたまり(フレーズ、モチーフ)を見つけることでした。

まず、Ⅰ.音の高低を見てみましょう。

1拍目から2拍目のかけての音程を見てみると、短3度の下行形で
構成されていることがわかります。

基本的には高い音に向けて広がり、低い音に向けて落ち着くので
1小節目はソ→ミにかけて、2小節目はファ→レにかけて
decrescendo(だんだん弱く)してみましょう。
拍子を考えても1拍目に重さがかかり、2拍目は軽く演奏するのが
自然ですね。
(4拍子の場合、
1拍目…強拍 2拍目…弱拍 3拍目…中強拍 4拍目…弱拍)

次に、Ⅱ.音のかたまりを見てみます。
音のかたまりを見つけるには、リズムを見ることも有効です。

1小節目と2小節目で全く同じリズムが繰り返されています。
同じ音のかたまりが2回繰り返されているので、2小節でひとまとまりの
グループと捉えることができますね。

2小節またがってスラ―をつけてあげれば良さそうですが
ここで少しポイントがあります。
ピアノは同じ音を連続で音を鳴らす場合、鍵盤を上まで
(ほぼ平らになるまで)上げ直さないと打鍵できません。
なので、2小節を一息で演奏する意識は持ちつつ、ソミまで弾いたら
柔らかく切って次のミを弾いてあげると良いでしょう。
(ファ-レ-レも同様)

以上のことをまとめると、こんな感じです。

これが正解!というわけではなくて、ひとつの案ですが
こんな風に演奏すると拍子感が出て、リズムも明瞭に聞こえると思います。
音楽に動きが出て立体的になる=音楽に方向性を与えること
「歌う」の根源かなと理解しています。
こんな感じで楽譜を読み解いていって音楽の構造が見えてくると、
演奏方法は自然と決まってくるのですね。

じゃあこれをどう弾こうか?どんな音で表現しようか?というのは
実際のレッスンで一緒に取り組んでみましょう~♪

今日の一曲

坂本龍一「aqua(YouTubeリンク)
一番有名な戦メリも好きだけど、わたしはこれ。
先週の日曜日にNHKで放送されたドキュメントを観たのですが
癌に冒されてもなお、亡くなる直前まで
本当に音楽の人であったのだなあと感銘を受けました。

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